ギターメンテナンス

呪いのハードケース

呪いのハードケース(ハードケースの脱臭)

 

以前、この様な記事を投稿しました。

今も周りに蒸気を伴ったガスを放出させ続けるなど、崩壊は現在進行形で続いております。

このピックガードを崩壊させた大昔のオーナーは、恐らくハードケース保管だったのでしょう。
というより、ハードケースの中で熟成させたのだと思います。

Gruhn Guitarsで作られたレプリカピックガード、10年前はピッカピカでした。
しかし今の状態といえばご覧ください。
この白っぽいものは皮脂や埃、カビではありません。

崩壊したオリジナルピックガードの呪い(残り香)に違いありません。

ハードケース内張りに円で囲った所を見て下さい。
崩壊したピックガードに触れていた箇所が変色しています。
しかも臭いもあります。何と言いましょうか、体に悪そうな化学臭が。
定期的にキッチンペーパーも取り替えていますが、この瘴気は抑えきれない様です。

ちょっとした瑕疵物件ですね。

このハードケース、あまりに臭うので一度夏場に天日干ししました。
陰干しではなく、炎天下で半日も。
その後、掃除機で念入りにホコリやらを吸い出したのですが、まだまだ足りなかった様です。

というわけで、このハードケースでギターを保管をする限り、ピックガードは呪いの瘴気を受け続けるのです。
ハードケースを新調するか、御祓をするか、呪いを受け入れるか、選ばなくてはなりません。

御祓(オゾン脱臭)を選択

前からきちんと脱臭をしたいと思っていたので、今回は手持ちの臭い消しやらで対処せず、オゾン脱臭機を購入しました。

ハードケースのみに使うのであればこの出費はアレでしたけれども、冷蔵庫や下駄箱、トイレにも使えるらしく、その点では気持ちは幾分楽です。

形こそ違いますが、この感じは昔AirMac Expressを買った時を思い起こさせます。

さて、このイオン脱臭機、マニュアルも含めバリバリの中華製なのですが、イマイチ信用ならないなぁ、なんて思ってはなりません。
陰陽道の起源は古代中国の自然哲学や陰陽五行思想と聞きます。この呪われたハードケースの瘴気を祓うのに良さそうじゃありませんか。

もちろん冗談ですが。

最初スイッチを押しても全く反応せず、ハズレを引いたか!?と焦ったのですが、結果はただのバッテリー切れでした。
十分に充電してから事に及びましょう。

真夏の炎天下に干したにもかかわらず、10年以上経った今もケースを開けると放ち続けるこの臭気。
それをこんな小さな可愛いアイテムでなんとかできるのか、臭いを嗅ぐと更に不安になります。

まあダメ元です。

臭いものに蓋をする

スイッチを入れ、約2時間そのままに。
小さな「スー」という音が機械に耳を澄ますと聞こえますが、ハードケースを閉じますと何も聞こえなくなります。

この後の段取りはサーキュレーターを使って中の空気を入れ替えるだけなので、この待ち時間でいくつかの作業をする事にしました。
それはまた別の記事で。

その別の記事です

タイマーなどは使っていないので、他の作業が片付いた適当なところでケースを開け、サーキュレーターの風を当て続けました。

それでは嗅ぎます。
何度も嗅ぎます。
疑いを捨てずに嗅ぎ続けます。

そして時間を開けてもう一度嗅ぎます。

 

臭わない!!

 

少しオゾン臭はありますが、あの嗅ぎなれた化学臭が消え去っています。
これには驚きました。
何度か繰り返して臭いを取るつもりだったのですが、化学臭は1発KOでした。

まとめ

次の日、もう一度嗅ぎましたら、ほんのりといつもの臭いが戻っていたのですが、おそらくはそれは楽器本体に付いていた臭いという感じです。
これ以上の脱臭は現ピックガードの崩壊が止まらない様でしたら、また追加したいと思います。

といいますのも、無臭の楽器は味気ないものです。

アーチトップギター買って一番にする事は、サウンドホールを嗅ぐ事です。
ギブソンにはギブソンの、ベネデットにはベネデットの、というような独特の匂いがあるのです。
バスカリーノは塗装の匂いが他のものより甘い、といった具合に。

それらの匂いが染み付いたハードケースですが、自然な形ではなく、こういったオゾン脱臭で薄れてしまう事は個人的に寂しく思いますし、ハードケースの脱臭をお考えの方は、その辺りのこともご考慮頂ければと思います。

ともかく、長年憂いていたハードケースの臭気問題、上手く解決できてホッとしております。
特殊な性癖を晒した様で気恥ずかしさは残りましたが。

-ギターメンテナンス

© 2020 Archtop Archive