06′ BENEDETTO 16″CUSTOM

06′ BENEDETTO 16″CUSTOM

 

はじめに

2000年から2007年までのBenedetto Guitarについて

1999年、”Benedetto”ブランドはGUILDに委譲されましたが、2000年から2007年(サバンナ工場始動)までの約7年間、Robert Benedetto氏(ボブさん)はペンシルバニアの工房で、一点物のギターを年間数本ほど製作していました。

2000年以降のBenedetto Guitarも、それまでと同様にシリアルナンバーの下2桁が製作年(西暦の下二桁)を示すものは、ペンシルバニアの個人工房製という事でほぼ間違いありません。GUILDで作られたものは、Manhattan や Fratello , La Venezia であってもGUILDのラベルが使われており、シリアルナンバーも異なります。

今までにご紹介した書籍などで掲載されているギターですと、2000年製 La Cremona Fiorita や 2003年製 Anima e corpoなどが、前述しました約7年間のオーダー品に該当します。(当然、現Benedettoサバンナ工場のものともシリアナンバーは異なります)

今回ご紹介しますこの1本は、2003年オーダー、納品が2006年となったBenedetto個人工房の最末期のギターとなっております。

 

SPEC.

オーダーに際してのコンセプト

私は25thアニバーサリーモデルである#29193とIl Fiorentino #31494に”BENEDETTO”の極致を感じており、スペックに関してはそれを強く意識したものとしました。

○ ヨーロピアンスプルースを使用。
○ バールベニヤを隠し味に。
○ フィニッシュはシェイデッドナチュラル。
○ 指板のインレイはワンポイントのみ。

この辺りを軸として、他にも2000年以降に作られたものも参考としながら、ボブさんと詳細を詰めていきました。

 

#29193 25th ANNIVERSARY GUITAR & #31494 Renaissance Series Il Fiorentino

Robert Benedetto (1994). Making an archtop guitar. P226-229

 

サウンドホール案

次にサウンドホールですが、オーソドックスなものではなく、当時はまだ少なかったベネデットのトレードマーク「花びらのモチーフ」でお願いしたところ、ラフスケッチにて6種の提案がありました。

私自身、雛形を16″に決めた時からサウンドホールはIl Fiorentinoを意識していたので、それをイメージさせるものを選択するつもりだったのですが、他にも La Cremona AzzurraやIl Palissandroをモチーフとした私好みのものもあり、決断するのに少々日数を要しました。

 

制作風景

完成を待つ2年半の間に、”木材”がどんどんギターに変わっていく様を、ボブさんやシンディさんから送って貰ったこれらの写真を通して楽しむことができました。

*ボブさんの顔が写っている写真の掲載は控えさせて頂いております。

 

このギターをオーダーした2003年は、ボブさんがGUILD社へ監修の為に出入りしていた時期なので、当初はこのギターもGUILDの工房で作られるのではないかと、正直少し残念に思っていたのですが、それをボブさんはメールでのやり取りの中でキッパリと否定し、「私の大いなる誇りを懸け、自分の工房で作る」と言ってくれました。「私一人で」という一文を添えて。
この様な顧客の気持ちを察してくれるその人柄に、大いに感動したものです。

 

 

さいごに

支払い方式について

今回の支払いの方式は、以前にバスカリーノにオーダーした時と同様の、最初にデポジットを入れ、完成時に残りをというものでした。
ただ、支払い方法やデポジットの額面はギタービルダーによって様々で、Buscarino Virtuosoのデポは2,500ドルだったのですが、今回のBenedetto 16″ Customは5,000ドルと、私にとっては相当気合の入った額面でした。(リアルな金銭の話で失礼します)
ちなみに以前モンテレオーネに問い合わせた時に言われたのは、手付け、途中、完成時の三分割というパターンで、最初の支払いはベネデットやバスカリーノのそれよりも気合の入ったものでした。

 

ギターが届いて

製作過程を写真(画像)で見ており、しかもボブさん自身が完成品をセットアップして弾いている写真まで見ていたので、どんなギターが送られてくるかは大凡分かっていたつもりだったのですが、実際にハードケースを開け、ギターを目の当たりにした時の感動は大変なものでした。

ちなみにバスカリーノの時は、製作途中の画像などを見ていなかったので、ハードケースを開ける時のドキドキ感は、また種類の異なる緊張感で、私には刺激の強すぎるものでした。
個人的にはネックジョイント前後の1枚だけでもあれば、気持ち的な準備ができるので大分楽になるのですがね。

一昔前はとは違い、デジカメ全盛の今でしたら多くのギタービルダーが画像に関して応じてくれるのではないでしょうか。

おまけ

このギターですが、とにかく軽いです。
ハードケースから取り出す時、ネックだけを持っているのかと思いました。

また、このサイトではギターの音に関してあまり語らない様にしているのですが、私の個人的な感想と強調した後にこのギターの音色を述べるとしますと、反応が良く、尚且つサウンドホールの位置、形状のせいか、奥行きを感じさせる柔らかい音色を奏でます。
しかし、最初から張ってあったブロンズ弦が、たまたまそういった音を鳴らしているのかも知れませんし、その時の家具の配置や共鳴がそう聴こえさせているのかも知れません。前で聴く音と弾いている時に聴こえる音も違いますし。

ともかく、音に関しては概ね満足という事で、この記事を結びたいと思います。

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