ギターを壁掛けにしてからというもの、ただそこにギターが掛かっているだけで、ずいぶん充実した気持ちを日々味わえていた。
しかし慣れというのは恐ろしいものである。
この景色にも、そのうち慣れてしまうだろうとは思っていた。むしろ、それが今頃になったことに少し驚いているくらいだ。
しかし、やはりその日は来てしまった。
いや、正確にはいつからそう思い始めていたのか、自分でもよくわからない。
ともあれ、気づいてしまったのである。
やはり壁にはギブソンが欲しい。
最後の1本については、常々頭を巡っているモデルがいくつかある。
最初に憧れたL-5Cか。
それともSuper 400か。
この際、Johnny Smithに着地するか。
あるいは、ここまでのストーキング完遂の証としてBenedettoで締めくくるか。
そんなことを考えている。
そしてひょっとすると、こうしてあれこれ考えている今こそが、一番楽しい時間なのかもしれないとも思う。
ギブソン……。
これまで4本のL-5が僕の前を通り過ぎていった。
ただ、昔から常に「1本君」だったもので、複数のL-5が同時に自分の所有物だったことは一度もない。
奇しくも、いま壁に取り付けられているウォールギターハンガーは4つある。
ここに、これまで所有した4本のL-5が全部並んでいたら、いったいどんな景色だったのだろう。
そんなことを考えながら、壁の前で目を閉じ、椅子に突っ伏している時間が最近増えてきた。
先日はその最中、ノックもなしに扉を開けられた。
「何してるの??」
その問いに、全身の毛が逆立つ思いをした。
次に同じことがあったら、
「瞑想中」
と答えようと思う。
でも、Super 400のサウンドホールも好きだし、Johnny Smithの佇まいも捨てがたい。
それならいっそ、大好きなノンカッタだけで壁を埋めるのも素敵なのではないか。
…眺めるだけならカラマズーもアリかな。
そんなことまで考え始める。
L-5C。
Super 400。
Johnny Smith。
Benedetto。
そしてノンカッタにKalamazoo Award。(笑)
最後の1本を考えているはずなのに、候補は減るどころか増えている。
そうだ。
やはり次に扉を開けられたら、
「迷走中」
と答えよう。

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