La Bella 800Mを辻四郎GEM-Bに張る

辻四郎GEM-Bに、La Bellaのブラックナイロン弦を張りました。

今回使用したのは、La Bella Jazz Tapes 800M。ゲージは1弦から順に、.014、.018、.036W、.046、.056、そして6弦は.067という、数字だけでもなかなか迫力のあるセットです。

Jazz Tapesは、金属の芯線にブラックナイロンのテープを巻いた弦です。表面は非常に滑らかで、金属製のフラットワウンドとはまた違った感触を持っています。以前から気になっていた弦ですが、フラットワウンド信者の私としては、果たしてどのようなものか試してみたくなりました。

もっとも、今回使用したセットは購入してからかなり時間が経っています。未開封ではあったものの、箱を開けてみると、プレーン弦である1弦と2弦にはすでに少し錆が出ていました。

さらに1弦と2弦は、予備がもう一組ずつ入っています。ブラックナイロンの巻き弦よりも、裸のプレーン弦の方が先に傷むことを見越したものなのでしょう。しかし、その予備にもすでに少し錆が出ている。早々に使ってしまうべきなのか、それとも現在張った弦が駄目になったときのために残しておくべきなのか。
新品の弦を前にしているはずなのに、すでに寿命のことを考えています。

目次

6弦、.067

最大の問題は、やはり6弦です。

.067。

ギター弦としては、私にとってほとんど規格外の太さです。それなりの覚悟をもって臨みました。

特に心配していたのは、ナットの溝にきちんと収まるかどうかです。ここに入らなければ、ナットの溝を広げるか、この弦を諦めるしかありません。

まずは6弦をナットの上に載せ、恐る恐る溝へ入れてみました。

すると、意外にもきれいに収まりました。

最大の関門だと思っていた場所を、あっさりと通過したのです。ナットの溝にさえ収まれば、あとは何とかなる。そう思い、ひとまずホッとしました。

ところが、その直後です。

まったく警戒していなかった場所で、思わぬ問題が発生しました。

弦が太すぎてテールピースの穴を通らず、ボールエンドが所定の位置まで入っていきません。

どうやらテールピース側は、この太さを想定していなかったようです。

押しても駄目。引いても駄目。
まあ、後で画像を見るとこれは酷い。
どう考えても穴のサイズに合っていない。

ナットの溝という大きな壁を越え、すっかり安心したところを襲われました。
まさか反対側のテールピースで立ち往生するとは…..

しばらく格闘しましたが、どうにも解決しません。

そこで私は、ストロングTsujiを信じ、そのままペグを回すことにしました。

バキ、ガガ! バキ、ポッ!

およそ弦を張るときに出るものとは思えない音です。

何かが壊れているのか。それとも、太い弦がテールピースの穴を少しずつ突破しているのか。判断のつかないまま、さらにペグを回しました。

そして気がつけば、6弦は何事もなかったかのように、テールピースの根元まできれいに収まっていました。

異音ですが、恐らく大した音じゃないものがボディ全体で増幅されてあの様に聞こえてきたのでしょう。

S.Tsujiの“S”はStrongのS!!

Heritage Sweet 16で同じ状態に陥っていれば、おそらく私はこの弦を諦めていたと思います。しかし、今回の相手は辻四郎GEM-B。

きっと大丈夫。

何の根拠もありませんが、そう思わせるものがこのギターにはあります。

あ、忘れるところだった!
メーカーは、ボールエンドからシルク部分までの巻き長を31.5インチとしており、ペグにはシルク部分だけを巻くよう指定しています。

なのですが、6弦、シルク部で巻くようにすると、こんなに弦が余ります。

そのまま巻くと弦の太さもあり、ペグのポストに収まりそうもないので、メーカーの指示は無視して黒テープが巻かれているところからベキっと折って巻きました。

見た目ほど恐ろしい弦ではない

すべて張り終えて、まず驚いたのは弾き心地でした。数字だけを見れば、かなり指に厳しい弦を想像します。しかし、ブラックナイロンの表面は滑らかで、太い弦にありがちな指の痛さがありません。

かといって、張りが弱く頼りないわけでもありません。

音は、ゴーン、ゴーンと、しっかりとした芯を伴って鳴ります。柔らかいだけの音ではなく、思いのほか抜けも良い。

ブラックナイロンという見た目から、暗く籠もった音を想像していましたが、実際には音の輪郭がきちんと前へ出てきます。金属的な成分は抑えられているものの、音の存在感まで後ろへ引っ込んでしまうわけではありません。

丸いけれど、鈍くない。太いけれど、重苦しくない。

この加減が実に良い。

商品リンクを貼ると説得力が下がりそうなので貼りませんが、これは久々にワクワクする音です。

1、2弦との繋がり

張る前に少し気になっていたのが、1、2弦と3弦の繋がりでした。

1弦と2弦は通常のプレーンスチールで、3弦からブラックナイロンの巻き弦になります。材質も太さも大きく変わるため、2弦と3弦の間で音色が分断されるのではないか。そんな心配がありました。

しかし、実際には思った以上に自然でした。

1弦が.014、2弦が.018と、プレーン弦としては比較的太いことも関係しているのでしょう。3弦の.036Wへ移っても、急に別の楽器へ切り替わったような違和感はありません。

高音弦にも十分な太さがあり、低音弦の量感に負けていない。セット全体として、きちんと一つの音にまとまっています。

この弦については色々な評価を聞きますが、フラットワウンド信者の私は、とても気に入りました。

ブラックナイロンが似合う指板

すべて張り終えた姿を眺めていて、今になって気づきました。

ブラックナイロン弦は、インレイの入っていない指板にこそ映える。

これは間違いありません。

…残念ながら私のGEM-Bにはしっかりとポジションインレイがガッツリ入っております。

before↓

after↓

合っているのか合っていないのかイマイチわかりません。
けれど分かるのは、ドンピシャじゃないこと。それだけは私にも分かります。

1、2弦のプレーン弦が白髪に見えなくもない。

ともあれ、黒い弦まで含めて、今までのGEM-Bとは少し違う風体になりました。

無敵の辻四郎GEM-B

La Bella 800M。見た目は異様で、6弦は太すぎてテールピースの穴すら素直に通りません。張っている途中には、バキ、ポンッ!という、できれば楽器から聞きたくない音までしました。

しかし、張り終えてみれば、弾き心地は滑らか。音は太く、丸く、それでいて抜けも良い。1、2弦から巻き弦への繋がりにも、想像していたほどの違和感はありませんでした。

ブラックナイロンの見た目がGEM-B合っているかは別として、まあそのうち慣れるでしょう。

今回、無敵の辻四郎GEM-Bに、また一つ魅力が加わりました。

また少し、正体の分からないギターになった…のか?

ただ私は、そのことに大いに満足していますし、私にとって掛け替えのないギターだと改めて思いました。

 

それと、このパッケージのアーチトップギター。↓

これBenedettoじゃないですかね。
ビルトイン2発のBenedetto、めちゃくちゃレアモデルだと思います。

気になる…..

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