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木目(スジ)は成長する??

木目(スジ)は成長する??

買った新品当初は真っ白だったギター、日焼け等の経年変化で月日と共に隠れていた木目が浮き出てきた、という事はありませんか?

年代物の中古ギターを買った時はそれらは仕様ということで、最初から出ている独特な木目も打痕やキズと同じ感覚だと思うのですが、音で迷って最終的に木目が気に入った方を、という感じで購入した後、思い掛けないところにマダラ模様が出てきますと、自分に折り合いをつけるのに少々時間を要します。コレクターですと尚更でしょう。

今回は木目(スジ)の変化を追うことができたギターを数本ご紹介したいと思います。

Case #1 Buscarino The Virtuoso

先ずは、一週間ほど私のものだった Virtuoso 1号です。(詳しい経緯はこちらへ)
初めてギターケースを開けた時、その無垢な白さに息を飲みました。

左が出来立てホヤホヤ時、右はその10数年後の様子です。
如何でしょうか。
ピックガードで一部隠れてはいますが、センターブックマッチのお陰で左右対象にスジが出てきております。
日焼けも良い感じですね。

バックですが、トップのスプルースとは違いカーリーメイプルは木目がワイルドなのでそれほど変化は目立ちません。

Case #2 Buscarino The Artisan

次に私の友人のArtisanです。
シームレス 、ピックアップレス、チェロテイルガットというシンプルを極めたギターですので、木部の造形とともに木目にも目が行きます。

さすがはハードケース保管ということで、日焼けやスジの成長は殆ど見受けられません。(色合いの違いは撮影時の設定だと思います)
写真はチェロバーストですが、ナチュラル以外ですとスジは目立ちにくいのでしょうね。

バックの木目が深くなってきている様に見えるのは撮影時の環境のせいでしょう。

Case #3 Benedetto Il Fiorentino

上はベネデットのフィオレンティーノですが、1999年には駒の両端にうっすらとスジが確認でき、2010年のものではよりハッキリと。
約15年間で順調にスジは成長した様ですが、2010年から今日までハードケース保管のためでしょうか、それともスジが育ちきったからか、特に変化が見られなかったので撮影はしておりません。

やはりバックのメイプルに関しては撮影環境の違いによるものが殆どだと思います。

塗装前の画像があったので、コントラストやらをあれこれ弄くり回しましたが、解像度が低い事もあり、成長前のスジは確認できませんでした。

そこでもっと詳しく塗装前の画像と作られてから10年以上経ったものを比較できるものがあれば、なんて思ったのですが、、、ありました。

Case #4 Benedetto 16" Custom

荒削りが終わった2005年のものと2020年6月10日撮影の2枚です。
白木の時はうっすらと見えていたスジですが、照明の具合でしょうか、久々にハードケースを開いて撮影してみるとスジがあまり見えません。
ちなみに納品されてから今日まで完全にハードケース保管です。

端折らずに順番に見ていくことにします。

時系列がややこしくなりますが、左から2006年のバッフィング前、2006年納品直後、そして2010年のそれぞれトップ&バックとなっております。
しかし撮影時の設定や環境でガラリと印象が変わりますね。
2010年のトップは育ちそうなスジの気配を感じるのですが、撮影の具合で消える程度のものだった様です。

少し余談となりますが、左のバッフィング前の画像、シェイデッドナチュラルでお願いしたはずが、そこに写っていたものは日焼けしたS.TsujiのGem-Bに見え、ボブさんからこの画像が送られてきた時の絶望感といったら。
....最悪の事態を覚悟した覚えがあります。

兎にも角にも、ハードケースから出し、紫外線やらに晒され続けますと、塗装の変化とともに白木の時に見える濃い木目がより鮮明となるのでしょう。
これに関しては、未来の自分の姿をシミュレートするスマホアプリより正確に予想できます。笑

まとめ

結論ですが、スジは日焼けとともに成長する。
当然ハードケース保管のギターではスジの成長は殆ど認められないという事です。

これはごく当たり前の結果なのですが、実は日焼け以外にもスジを成長(濃く)させる“何か”があるのでは、なんて少し期待をしておりました。ハードケースに保管していると塗装の日焼けは無いがスジが何故か濃くなる、という様な。
しかしサンプル数こそ少ないですが、今回の結果をからは、日焼け以外がスジを育てる(濃くする)という事実は見つかりませんでした。

最後になりますが、スジは個性であり、柾目で木取りをする限りは宿命であるという事でしょう。
写真集などで名だたるヴィンテージアコースティックギターを見ておりますと、無数のスジを走らせているものも少なくありません。それこそ誇らしげに。

日に日に濃くなるスジに憂う事なく、むしろ一層愛でようではありませんか。

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