「Il Fiorentino」のインスパイア系をご紹介します。

「Benedetto Il Fiorentino」のインスパイア系をご紹介

インスパイア系、この様に言いますと、最近では所謂”パクり”を連想される様です。
しかし今からご紹介しますインスパイア系のギターは、真に天啓を得て燃え上がる職人魂で作ったかどうかは分かりませんが、取り敢えず超マイナーモデル「Il Fiorentino」からインスピレーションを受け、五里霧中、暗中模索、そして思考錯誤の末完成させたであろうギターだと思いますので、真面目にインスパイア系ギターとしてご紹介します。

Benedeto(ベネデット)Il Fiorentino( フィオレンティーノ)についての詳しい説明は、こちらへどうぞ。

さて、先ずは本家の画像です。

Robert Benedetto (1994). Making an archtop guitar. Limelite Press. p228,p229より引用

そして次がAmerican Archtop Guitar のELITE AMERICAN ARCHTOPというギターです。
おそらくオプションでこんな風にもできるよ、という事なのでしょう。

American Archtop Guitar より引用

American Archtop Guitar(アメリカンアーチトップギター)のDale Unger(デイル・アンガー)はベネデットの元で学んだという事もあってか、オリジナルの雰囲気はよく出ていると思います。
また、話は逸れるのですが、バインディングの無いシームレスタイプは今でこそ見慣れましたが、一昔前はベネデットの「La Venezia」や「La Cremona Azurra」そしてこの「Il fiorentino」等を見て、その美しさに心を大きく揺さぶられたものです。
しかしながら、アンガーはシームレスタイプに取り憑かれたのか、少々このタイプを作り過ぎました。
話をこのギターに戻します。ヘッドがスロテッドでは無くなり、ネック幅も細くなったのは、スティールストリングス仕様にアレンジしたデイル・アンガーの答えの一つなのかも知れません。
また、指板エンドが左右対称になり、ブリッジも汎用品となったのは、手抜きなのか、デザインなのか、その辺りの判断はつきかねます。
しかし、ネックがバーズアイ無しの3ピース、それにボディバックを普通の2ピースでまとめた事がシンプルを追求した結果、と見るのは些か…..

$16,000〜、とありましたが、オプションを盛った仕様でしょうし、結構な金額になりそうです。


次にご紹介するのは、Gallinaro Guitars(ガリナロ ギターズ)というイタリアーノです。よってウェブサイトはイタリア語となっています。
このGallinaro GuitarsのAlberto Gallinaro(アルベルト・ガリナロ)さんですが、Benedettoの他に「Sakashta Tribute」なるタク・サカシタのインスパイア系もラインナップされていたりと、割と攻める系の様で、辻四郎御大とはタイプが異なる模様。

ともかく、拝借した画像を見ていただきましょう。

Gallinaro Guitarsより引用

さて、詳しく見ていきましょう。
まず目を引くのはオリジナルには無いカッタウェイがついている事です。そしてそれに伴いサウンドホールのアレンジが必要となるのですが、上3つを簡単に取っ払うという方法でそれをクリアしています。
また、ネック幅はこの際置いておいて、オリジナル同様にスロテッドヘッド(こちらはギア付き)を採用し、もちろんナイロン弦仕様です。そして指板エンドも非対称。ただブリッジは汎用品です。
そしてボディバックですが、バーズアイをサンドする3ピース!、そしてネックもとりあえずの3ピースですが、オリジナル同様に濃色の材をサンドし5プライとしているので、雰囲気は十分に出ています。
GallinaroさんのIl Fiorentinoに対する並々ならぬ拘りを感じるのですが、ナイロンストリングスのアーチトップはエレキにするしか方法がないのでしょうかね。
ブリッジから伸びる黒い配線が残念でなりません。
といいますのも、鼻の穴に爪楊枝を入れて下唇で挟んだ顔に見えて仕方ないのです。(私だけでしょうか)

Gallinaro Guitarsより引用

この埋め込まれたフィッシュマン…..
どんな外観のギターも、一瞬で改造サイボーグに一変させてしまう破壊力が、このプリアンプにはあります。

ギターを見て楽しむ層には無用の長物ですね。


一見するとコピーにも見えるこれらインスパイア系を細かく見ていきますと、それぞれに製作者の拘りが垣間見られ、とても興味深いものです。
また、今回のIl Fiorentinoの様な一点物の場合は、ギターの写真のみを参考にして作られたのかも知れませんので、そこで改めて職人の技術と感性に驚かされます。

インスパイア系も大変ですね。
その上こんな風に、オリジナルと比較してああだこうだ、って言われる訳ですし。

私ぐらいはインスパイア系に寛容になろうと、そう思いました。

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